the movie's blog of the people,by the people,for the people…
RELOADLOG-IN
2008.08.06 Wed
無表情でやる復讐

LA_TOURNEUSE_DE_PAGES

【Story】
かつてピアニストを目指す少女だったメラニー(デボラ・フランソワ)は、ピアノの実技試験中、審査員の人気ピアニスト、アリアーヌ(カトリーヌ・フロ)の無神経な態度に動揺してミスを犯し、ピアニストの夢を絶たれる…。

評価 ★★★★☆(4.3P)

【感想】
メラニーの巨乳アピール多すぎ。Ranking

〜以降ややネタばれあり〜
フランスのセザール賞3部門にノミネートされた国立音楽院の教授でヴィオラ奏者でもあるドゥニ・デルクールが監督したピアノをテーマとした復讐劇である本作。

物語はピアニストを目指していた少女メラニー(デボラ・フランソワ)がピアノの実技試験中に、有名なピアニストであるアリアーヌ(カトリーヌ・フロ)の無神経な振る舞い*ここがポイント)で、試験に失敗してしまい、その後復讐の鬼へと変身してしまうというものだ。復讐に駆られたメラニーはそれから数年後、ひょんなことからアリアーヌの家で働くこととなる。そして交通事故をきっかけに、精神的に不安定な状態が続くアリアーヌの譜めくりを担当することに成功するのだ。まあこのように相手の家に入り込み、崩壊させようとする話は日本のサスペンスドラマでもよく使われるような展開であり、特に目新しさはないのだが、そう言ったドラマと異なるのは、復讐者が名前も変えないところと、幼少時に受けた些細な事がメラニーの復讐心を駆り立てたというところだろう。この名前も変えずに復讐をするといったことから印象付けているように、嫌なことをした相手よりも、された相手はとめどなく覚えているということを物語っている。だから2時間ドラマなら、「お前があの時の…」的な展開になるのだが、この作品では、例え復讐されても、された側としては全く理由が分からず、復讐をした側のみの満足で終わるのだ。この完全なる逆恨みは、どんな復讐よりも卑劣さを感じるだけに鑑賞後の怖さも倍増だ。

そんな卑劣な物語の肝となってくるのが“譜めくり”の使い方だ。譜めくりとは、楽譜をめくることで、ピアノの演者によっては暗記せず、譜面を見ながら演奏することがある。その際、演者の代わりに譜面をめくるのが譜めくりをする人で、この譜めくり者と演者の信頼関係で成功如何が決まると言っても過言ではない。このことからも分かるように、演者は譜めくり者に相当の信頼感を置かなければ成立しない関係であり、取り分けこの物語のアリアーヌのように精神的に脆いものならこの役割も一入なのだ。

まあこのように譜めくりで完全に信頼を得たメラニーが手に取るようにアリアーヌの心を操り、完全なる復讐劇を成功させていくのだが、このメラニーという女性の存在感がこの物語では非常に興味深い。幼少時に涙を流して以来、能面のようにほぼ無表情で、常に何を考えているのか分からない。ただこの手のタイプは、完璧に計画をすでに持っているというのが鉄則で、その計画もメラニーを無表情にすることで、どこからが彼女の計画かを観客に周知させない演出が、余計にメラニーの怖さを印象付けている。だいたいアリアーヌが事故を起こしたことだって、弁護士のインターンに行ったことだって、本当は彼女の計画の一部なのかもしれない。だがそこを敢えて語らないことが、彼女の恐ろしさを何倍にもしているのだ。そして着実に復讐には向かっているのだろうが、後半の怒涛の畳み掛けまでは、本当に復讐する気があるのかとさえ思ってしまう程の展開なため、観客を飽きさせないようになっている。

という感じで、アリアーヌにとっては完全な逆恨みであり、そんな些細なことでここまで完全に人生を狂わせられるのだから、人間の恨みというものは怖いものだと痛感させられた。私も女性の恨みを買わないように生きたいとつくづく思った。

■記事を気に入った方、もしくは他のブロガーさんの記事を読みたい方はクリックを!!
      ↓
人気blogランキング

原題 LA TOURNEUSE DE PAGES
別題 The Page Turner
製作年度 2006年
製作国 フランス
上映時間 85分
監督 ドゥニ・デルクール
製作 ミシェル・サン=ジャン
製作総指揮 トム・デルクール
脚本 ドゥニ・デルクール、ジャック・ソティ
撮影 ジェローム・ペルブラン
衣装 アントワーヌ・プラトー
編集 フランソワ・ジェディジエ
音楽 ジェローム・ルモニエ
出演 カトリーヌ・フロ、デボラ・フランソワ、パスカル・グレゴリー、グザヴィエ・ドゥ・ギュボン、クロティルド・モレ、クリスティーヌ・シティ、ジャック・ボナフェ、マルティーヌ・シュヴァリエ

■他の記事にも興味を持った方はINDEXへどうぞ!→INDEX

テーマ:洋画 - ジャンル:映画
映画 は行    Comment(8)  TrackBack(20)   Top↑


sakurai
TBありがとうございました。
ほんと、復讐などという高級なものじゃなく。どう見ても逆恨みですよね。
まあ、あのくらいの動揺で失敗するようじゃ、ピアノも大したものじゃないような。
弁護士事務所へのバイトは、どう見ても計画だと思いました。
2008.08.07 Thu 08:40 URL [ Edit ]
dai
sakuraiさんへ

コメントありがとうございます☆

まさに逆恨みですよね。
まあアーティストの繊細さを表現したと思うのですが、
あの程度では腕もたかが知れます・・・。

メラニーは本当にどこからが計画かが全く分かりません・・・。
2008.08.07 Thu 08:50 URL [ Edit ]
ミチ
こんにちは♪
てっきり【譜めくり】で復讐するのかと思いきや、もっと綿密な計画だったなんて驚きました。
思い込みが激しいのも恐ろしいですね〜。
2008.08.07 Thu 16:56 URL [ Edit ]
dai
ミチさんへ

私も譜めくりでの復讐だと最初は思っていましたが、違いましたね(まあ一応譜めくりでも復讐したと言えるのですかね?)。
本当に思い込みと女性の怖さを感じさせられた上級サスペンスでした。
2008.08.08 Fri 00:54 URL [ Edit ]
swallow tail
daiさん、こんにちは。

>メラニーの巨乳アピール多すぎ
ぶはは(爆笑)
そこですか!!??
まさかのっけからその一言が出てくるとは思いませんでしたよ。
正直、スワロはメラニーの巨乳にはさほど目がいきませんでしたが、
そう言われると巨乳でしたね。
あのチェロ奏者がちょっかい出したくなるのもわかります。
メラ二ー嫌がりませんでしたし、
むしろ思わせぶりな態度でしたものね。

いやー、女って本当に怖いわ。
2008.10.09 Thu 15:50 URL [ Edit ]
dai
swallow tailさんへ

こんばんは★
ストーリーもあの淡々とした復讐劇に魅了されてしまったのですが、それ以上(?)にあの無駄に大きさを強調している胸が印象深かったですw

本当に女性は怖いです(汗
2008.10.09 Thu 21:15 URL [ Edit ]
なな
こんばんは はじめまして
「虎猫の気まぐれシネマ日記」のななと言います。
これは,怖いけど面白かったです。
このような,まさに「逆恨み」を晴らすことに人生を賭けるタイプも怖いのですが
自分も知らないうちに誰かに深く逆恨みされてるという場合もあるかも・・・と
背筋がちょっと寒くなりました。
・・・もしかしてメラニーはひき逃げもやってますよね???
2008.11.01 Sat 00:19 URL [ Edit ]
dai
ななさんへ

こんばんは★初めまして。

スプラッターや霊的な怖さでなく、
人間の怖さを描いているので
とても嫌な怖さがある作品でした。
もしかしたら・・・メラニーは・・・
やっているかもしれませんね。
2008.11.01 Sat 19:06 URL [ Edit ]
管理者にだけ表示を許可する

TrackBackURL
→ http://dai4.blog44.fc2.com/tb.php/484-596cfb36

マイクロアドBTパートナーでおこづかいゲット!

普通に音楽映画だと思っていたら、鑑賞直前になってたまたま目にした映画記事を読んでて何か私は勘違いをしてたことに気付きます。予告編も観てるんだけど、まさか心理サスペンスドラマ。でもよく考えれば「愛と憎しみの旋律」ってコピーがあったのね。 出演はその他に...
カノンな日々 2008.08.06 Wed 07:50
女二人の心理サスペンスだが、仕掛けられた罠はあまりに残酷だ。音楽への夢を断たれたメラニーは、復讐のため高名なピアニストのアリアーヌに近づく。復讐といっても心理的に追い詰めるもの。ヒロインの音楽への思いが何もないので単なる逆恨みに見えなくもないが、静かな...
映画通信シネマッシモ☆プロの映画ライターが贈る映画評 2008.08.06 Wed 07:55
※映画の核に触れる部分もあります。カンの鋭い人はご注意を。 ※ 鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。 (原題:La tourneuse de pages) ----『譜めくりの女』って変なタイトル。 しかも“女”っていうのもイヤな響き。 いったい、どう
ラムの大通り 2008.08.06 Wed 08:38
 『あなたがいないと、だめになる』  コチラの「譜めくりの女」は、夢を絶たれた少女がその原因を作った女性への執念深い復讐を描いた4/19公開のサスペンス映画なのですが、観て来ちゃいましたぁ〜♪  主演は、「地上5センチの恋心」のカトリーヌ・フロ、「ある子供
☆彡映画鑑賞日記☆彡 2008.08.06 Wed 08:42
いや〜面白かったです。4つ★半 私はこういう映画はかなり好き! お話は非常にシンプルで、メラニーがアリアーヌに復讐するという話なのだ...
ポコアポコヤ 映画倉庫 2008.08.06 Wed 09:16
流れを支配する譜めくり
シャーロットの涙 2008.08.06 Wed 09:28
モーガン・フリーマン に関するブログのリンクを集めています!最新の検索結果をまとめて、口コミ情報をマッシュアップし…
気になるキーワードでブログ検索! 2008.08.06 Wed 18:26
原題:LATOURNEUSEDEPAGES監督・脚本:ドゥニ・デルクール出演:カトリーヌ・フロ、デボラ・フランソワ、パスカル・グレゴリー、アントワーヌ・マルティンシウ、クロティルド・モレ、グザヴィエ・ドゥ・ギルボン、ジャック・ボナフェ鑑賞劇場 : シネ・アミューズ イー...
NiceOne!! 2008.08.06 Wed 19:44
最近、女同士モノって多くありませんか?\"男同士\"は日夜追求している腐った管理人ですが(笑)\"女同士\"は、何故か、動揺してしまいます...。 ...
描きたいアレコレ・やや甘口 2008.08.07 Thu 08:11
家政婦は・・・・。
迷宮映画館 2008.08.07 Thu 08:36
映画館にて「譜めくりの女」 クラシックの世界を舞台に2人の女性の愛憎を描いた心理ドラマ。 おはなし:ピアニストを目指す少女メラニーは、ピアノの実技試験中、審査員の人気ピアニスト、アリアーヌ(カトリーヌ・フロ)の無神経な態度に動揺してミスを犯し、ピアニス
ミチの雑記帳 2008.08.07 Thu 16:54
41.譜めくりの女■原題:LaTourneuseDePages■製作年・国:2006年、フランス■上映時間:85分■鑑賞日:4月20日、シネ・アミューズ・イースト(渋谷)■公式HP:ここをクリックしてください□監督・脚本:ドゥニ・デルクール□脚本協力:ジャック・ソティ□製作...
KINTYRE’SDIARY 2008.08.07 Thu 23:32
あれって邪魔じゃないのかしら?
映画を観たよ 2008.08.08 Fri 15:11
ピアニストが観てはならないのがこの映画。と言ってしまうと大げさかもしれないが、このとってもよくできたポスターをご覧になったら、ある程度音楽の知識のある方は、なんとなく鋭い音感でふたりの関係が想像つくだろうか。同じ黒い色のドレスを着た世代は違えどそれぞれ...
千の天使がバスケットボールする 2008.08.09 Sat 09:40
久しぶりの、おフランス映画。 フランス映画祭(日本での)で上映されていましたが、 見逃していました。 すごく気になっていたので、映画館へ クラシック音楽と人間の心理劇が見事に融合 映画「譜めくりの女」 あらすじ: かつてピアニストを目
Osaka-cinema-cafe 2008.08.19 Tue 01:31
人気ブログランキングの順位は? あなたがいないと、だめになる
ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!! 2008.08.20 Wed 00:03
とても静かに進行する復讐劇。ヒステリックに相手を面罵するシーンも,流血の惨事もないのに,物語の底に一貫して流れる,復讐者の女性の秘められた怨念と,復讐への強靭な意志に,じんわりと鳥肌がたつ。いやー,怖い物語だ。でもこういう話,かなり好きだな…。 あらす
虎猫の気まぐれシネマ日記 2008.11.01 Sat 00:10
楽器はピアノはおろか小学校時代に習った縦笛からして不得手な私。ピアニストの繊細な神経を理解も実感もで...
MESCALINE DRIVE 2009.02.21 Sat 00:06
この 映画は情緒安定の虚ろさ描いたものしょう。一見単にサイコものかもしれない。そう見る時、少女の頃の壊れた夢のみを焦点として見るだけでなく、その頃の他の要因も明解に描いているかというと、幾つかのアイコンは出るものの、概ね暗喩とされ説明的にされていない部
しぇんて的風来坊ブログ 2009.07.06 Mon 02:09
あらすじかつてピアニストを目指す少女だったメラニー(デボラ・フランソワ)は、ピアノの実技試験中審査員の人気ピアニスト、アリアーヌ(カトリーヌ・フロ)の無神経な態度に動揺してミスを犯し、ピアニストの夢を絶たれる。その後、アリアーヌに再会したメラニーは演奏...
虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ 2009.11.15 Sun 10:24
Template by まるぼろらいと FC2ブログ(blog)